2009年9月27日日曜日

Hippopotamomus/Momus (1994)


Hippopotamomus
YMO好き(特に細野さんのベースラインや、歌い方が好き)な方であれば、是非だまされたと思って聞いてみてください。かなり気にいると思います。

表題曲もそうですが、たぶんにハウス系テクノの影響が見られます。(MOMUSファンの中では異質なアルバムなようで、評価は分かれているようですが)

甘い夜の薫り/椎名純平 (2003)


甘い夜の薫り
「椎名林檎の兄」というふれこみでデビューした彼の、オリジナルとしては二作目の作品。(全曲 Coverの「Discovery」というアルバムも出ていて、これもなかなかのもの。)
黒い音楽がお好みな方にはおすすめ。

この作品は、日本のR&Bフォロワーが出す、「イタイ」アルバムとは一線を画し、R&B・ジャズといった様々な音楽要素を椎名順 平のフィルターを通じて咀嚼し、それを日本語の歌として再構築しており、自然に日本語が旋律と一体化している。声の質も非常に艶があり、これも彼の大き な魅力となっていると言える。

一曲目の「今宵あなたにお届けするのは 1人の彷徨う男の物語/スパイスを少々 尾ひれを少々」(「甘い夜〜intro」)という語りから、シン グルにもなった二曲目のショウタイムまでの流れで、リスナーの心をわしづかみにする展開。今時のコムスメ、コゾウ達向けの音楽では(これはこれで決して嫌いとは言い切れないのだが)堪能できない、まさに大人の世界。

全体的に、Introで提示された「一人の彷徨う男の物語」をKeepした、Totalなコンセプトアルバムであり、曲順も相当練り込んで作ったように思える。個人的には、こういった、ランダムな曲順で聞くことが勿体ないと思えるようなアルバムが好きなので、その意味でも、このアルバムは非常 に評価しているところ。

音楽業界が縮小している大きな原因はこういった大人の鑑賞にたえうる音楽の露出度が低いことがあると思う。このような音楽が真っ当に評価され、多くのヒトに聞かれることを望んでやまない。

余談だが、林檎は、兄のことを非常に尊敬しているそうで、何かのおりに「兄の音楽センスには敵わない」というような発言をしていた。純粋 に音楽的に評価されてデビューしたにもかかわらず、彼が当初、「椎名林檎の兄」としてマスコミに取り上げられたのも、ちょっと彼にとっては、不幸なような気がする。